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明治時代の「明細書」を発見、当時の医療知る手がかりに  日本レセプト学会
2019年10月1日 12:30

発見された明治時代の明細書(日本レセプト学会提供、画像の一部を弊社で加工しています)
 岐阜県大垣市の旧家に残る古文書群「小寺家文書」の中に、明治時代の医療行為の明細書が残されていたことが日本レセプト学会の調査で分かった。同学会によると、現存する紙の明細書としては最も古いものとみられる。大友達也理事長(就実短大生活実践科学科教授)は「当時の日記も残っており、照らし合わせれば、当時の医療行為や患者の受療行動が分かる貴重な資料になる」と期待を寄せている。
 小寺家は同地の一部を領地とした旗本の旧家臣の家筋。近世から昭和まで約9000点の文書が残されており、名古屋大が整理、分析を進めていた。同学会の黒野伸子副理事長(岡崎女子短大現代ビジネス学科准教授)が知人を介して資料を調べたところ、明細書のほか、処方箋や受診券など医療に関する数多くの資料が見つかった。保存状態は良好で、封筒に入った文書などは一括して整理されており、黒野副理事長は「さらに調べれば新たな資料が見つかる可能性がある」としている。
 1908(明治41)年の資料を見ると、医療機関の名称とともに「薬価および手術料明細書」と明確に記載があり、形式を定めて明細書を発行していたことがうかがえる。患者名や日付、種別、料金が記入されており、種別では「薬価」などと読める記載が残る。大友理事長は「当時の医療は非常に高額。それだけにこれだけ詳細な明細を出していたのではないか」と分析している。あらかじめ明細書の裏に料金表が記載されている資料もあったという。
 ほかにも明治時代から昭和初期のものとみられる、京都帝国大(現京都大)医学部付属医院の受診券や処方箋、種痘の証明書、診断書のひな型、診察結果、入院者案内など医療機関が発行した文書が残る。医薬品や漢方の効能書、薬袋、広告などもあった。一方、痛みを和らげるまじないや医療に関する民間伝承のメモ書きもあり、当時の人々がどのように医療と接していたのかを知る資料となりそうだ。

明細書を発見した日本レセプト学会の大友理事長(左)と黒野副理事長

 

●2月の学術大会で実物の展示も計画
 大友理事長によると、現代以前の医療制度に関する研究はあるものの、患者の受療行動などについての研究は資料が乏しく例がないため、同学会では明治から昭和初期のレセプトや明細書などを探していた。今回の発見を機にあらためて明細書分析チームを組織して詳細に調査する方針だ。来年2月8日に岡山県の就実大・就実短大で開催する同学会の国内学術大会では、研究報告や実物の展示を計画している。

https://mf.jiho.jp/article/200129

メディファクス 2019年10月1日掲載[許諾番号20191007_01]
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